【GWC act.XVI ワークショップ】デジカメでフィギュア撮影の実演・解説について(絞り値(F値)編)

前回の記事に引き続き、写真の基礎知識について、
書いていきたいと思います。

本番のGWCまであまり時間がないので、結構急いで書いている感じですので、
もしかしたら、説明が足りず、よく分からないという所があるかもしれませんが、
当日、質問していただけたら、分かる範囲でお答えしたいと思います~。

それでは、前回はシャッタースピードについて
色々書いたのですが、今度は絞り値(F値)について説明したいと思います。


その2 絞り値(F値)

この絞り値(F値)という言葉についても、「カメラ 撮影 写真」等のキーワードで
ネット検索をすると、よく見かける言葉かと思います。
ただ、一体何を表しているのかピンとこない方も多いのではないでしょうか?

私はカメラを触り始めるまではそうでした。
絞りって何?
何を絞ってるの?って感じでした。

一眼レフなど交換式レンズのあるカメラを使っている方は見た事があると思いますが、
レンズには絞り羽根と呼ばれるレンズを通過する光の量を調整する部品が付いています。
カメラからの設定によって、この絞り羽根を閉じたり、開いたりすることが出来るのですが、
名前にある通り、このレンズの中の羽根を絞る(閉じる)という事になります。
レンズの絞り羽根の写真

この羽根の絞り具合によって、レンズを通る光の量が変わってくるのですが、
その光の量(明るさ)を数値化したものが絞り値(F値)と呼ばれる数値になります。
※F値は絶対値では無くレンズの口径と焦点距離によって計算された相対的な数値となります。

この絞り値(F値)の見方ですが、絞り込んだ度合を表している事から、
数値が小さいと開いている(開放と言ったりします)、
数値が大きいと絞っているという事になります。
(上の写真を参考にしてください)

私は個人的にこれをなかなか覚える事が出来ませんでした。

レンズのスペックで開放F値と表示されている情報がありますが、
あれはそのレンズの絞り羽根を一番開いた時(開放した時)の絞り値となります。
その数値が小さければ小さいほど、光の通過する量が多い(明るい)レンズという事になります。
基本的にレンズの筒が太いほうが明るいですね。
因みにズームレンズでは、F値がF3.5-5.6のように表記されているレンズがありますが、
あれは開放F値が可変する事を表しています。
F値はレンズと焦点距離によって計算していますので、
ズームレンズで焦点距離を変更した場合は、F値も変わってくるという事になります。
少し高価なレンズになると開放F値が固定されていて、どの焦点距離に変更しても、
一番明るいF値が変わらないというものもあります。

ちなみにiPhone等のスマートフォンに利用されているレンズには
絞り羽根は付いていません。
常に開放状態で、絞り値は固定となっています。
(iPhone7ではF値1.8とだいぶ明るいレンズとなっています)

次に絞り値(F値)の設定によって、写真の何が変わるのか?を
説明したいと思いますが、上記の理由からスマートフォンについては、
設定自体変更する事が出来ませんので、
もし、スマートフォンで撮影をされている方は予備知識程度に
読んでいただけたらと思います。
(いつかデジタルカメラを買った時には役に立つかも?)

それでは、早速ですが、絞り値を極端に変更した写真を比較したものが
下の写真になります。
絞り値比較のサンプル
わざとシャッタースピードは変更せずに撮影したのですが、
絞り値の大きい写真(絞った)は、かなり暗くなっています。

これは絞り値を大きくする = レンズの穴を小さくするという事になるので、
レンズを通過する光量が減っている(暗くなっている)事を示しています。
レンズ絞り羽根のイメージ図

次に同じ絞りでシャッタースピードを調整して、明るく写した写真を比較したものが
下の写真になります。
絞り値比較のサンプル2
※前回の記事で説明しましたがシャッタースピードを遅くすると、
 センサーやフィルムに当たる光量が増える事を利用しています

普通に見える写真になっているのではないでしょうか?
ここで、絞り羽根を絞る事で暗くなるのなら、
何故わざわざ絞って撮影するのだろうか?
絞りを開放して、明るく撮影すれば良いのでは?と
疑問に思う方もいらっしゃるのではないかと思います。
私は最初、そう思っていました。

もう一度、先程の写真をアップにして確認してみたいと思いますが、
絞りにはもう一つ重要な役割があります。
それはボケの調整です。
絞り値比較のサンプル3
上の写真もよくよく見るとピントが合ってしっかりと見える所が違う事が分かります。
「ピントがずれた」とか「ピントがぼけた」というようにピントという言葉も
普段からよく使われていると思いますが、
撮影した写真をよく見ると、
ピントが合っている場所から前後に離れたところは、
その距離に合わせて少しずつぼんやりとしていっている現象が起きている事は、
何となく体験されているかと思います。
(模型展示会で撮影していると、背景にピントが合って肝心の展示物はぼやけている等)

不思議な事にレンズの世界には、
ピントを合わせた位置からある程度の範囲はぼやけずに見える範囲があるのですが、
絞りを利用する事で、その範囲を広げたり、縮めたり調整することが出来ます。
(ピントが合って見える範囲の事を被写界深度と呼びます)
下の写真では瞳にピントを合わせているのですが、
だんだんと左手が指先に向けてぼやけてきているかと思います。
※被写界深度は絞り以外の条件でも変わりますが、その点は割愛します
被写界深度の説明用の写真7

被写界深度を調節する事で、
背景をぼかして被写体だけを目立たせるような写真や
背景も含めてピシッと全体がシャープな写真など、
写真の表現に幅が広がり、
その時その時の思い描いた写真を撮影する事ができます。
(撮れたではなく、撮ったと思える写真が撮影できますね)
そういった意味では、絞り値(F値)というのは、撮影に於いて
とても大切な要素かと思います。
被写界深度の説明用の写真3
絞りが変わると写真の雰囲気はガラッと変わってきます。
F値が小さい写真のほうが背景や前景がボケているのがわかりますね。
絞って撮影した榛名のほうは後ろの髪の毛や手前の指先まで形が見てとれます。

で、実際フィギュアを撮影する時には絞りはどうしているかと言うと、
フィギュア全体を撮影する時は、全身をしっかりと写したいと思いますので、
F値を11~15くらいまで絞り込んで撮影しています。
色々なフィギュア撮影を解説したサイト等を読んでもF値は15くらいを
利用されているように思われます。
瞳や衣装、アクセサリーなど一部をクローズアップして撮影したい場合は、
見せたい部分だけがシャープなほうが見せたいところをより際立たせる事ができるので、
F値を3.2~5.6くらいまで開いて撮影しています。
被写界深度の説明用の写真5

被写界深度の説明用の写真6

絞りで悩ましいのが、最初の写真でも説明しましたが、
光量が減って写真が暗くなる事です。
これは私がまだカメラを買って、最初の頃の事ですが、
以下のような事で結構ハマりました。

撮影する → 被写体のシャープさが物足りない

こうなるとまずどうすればいいか調べて、絞りを絞る(F値を大きくする)という
情報にたどり着きます。

絞る → 撮影する → 暗くなる

あれ?
思ってたのと違う。。。という事で今度は明るくする事を調べます。
すると、シャッタースピードを遅くするという情報にたどり着きます。

シャッタースピードを遅くする → 撮影する → ブレる

何度撮影してもブレます。
頑張って呼吸を止めてシャッターを押したりしますが、どうしてもブレます。
次にブレを抑える為の情報を調べて、今度は手ブレ防止機能付きレンズにたどり着きます。
そこからマクロレンズがイイとか、ストロボがイイとか、撮影ブースがイイとか、
照明がイイとか、ホントに色々試しました。
その結果、三脚&レリーズにたどり着いて、
そもそも手持ちでの無謀なシャッタースピードで
撮影しようとしていたという事に気が付きました。
その時、初めてシャッタースピードと絞りの関係に気付いたと思います。
(無理なものはどう頑張っても無理です)

フィギュア撮影(物撮り)は、被写体をしっかりと写したいという目的から
ある程度絞る事が重要かと思います。
そうなってくると自然と光量は減って暗くなってきますので、
シャッタースピードは遅くせざるを得ません。
その為、前回のシャッタースピードの記事でも紹介しましたが、
フィギュア撮影(物撮り)においては、やはり三脚は重要なアイテムとなってきます。
スマートフォンなどではタッチ操作などでの撮影となる為、
余計に手ブレしやすいかと思いますので、やはり三脚はあったほうが良いと思います。

あと、イベントや模型展示会では、三脚を利用する事はほぼ出来ない上に
屋内イベントは基本的に明るさが足りないので、
絞り値は開放気味で撮影しています。(F値3.2~4.0)
それが原因でボケボケな写真が多く、
艦船模型のような前後の長さのある作品は
横から撮影するしか方法がないような状況ではありますね。
(第10回S.M.F.より。艦橋へピントを合わせています。)
被写界深度の説明用の写真
フィギュアは比較的前後の幅が無いので開放気味でも撮影しやすいのですが、
瞳にピントを合わせて、本体の角度とカメラの角度が
出来るだけ水平になるように注意はしています。
(この辺の説明はこちらの記事に書いています)

(第16回大阪ねんど会より。
 少し前かがみの姿勢なのでカメラも下から見上げるように角度をつけて撮影しています。
 顔にもマフラーにもコートにもピントが合うようにしたかったので。)
被写界深度の説明用の写真2

という事で、今回も長々と書かせていただいたのですが、
絞り値(F値)について、簡単にまとめると、

数値を大きくする(絞る)とピントが合う範囲は広がるが、
写真全体は暗くなる。

これに尽きると思います。

写真の明るさについては、シャッタースピードでも変化がある為、
シャッタースピードと絞り値の2つの要素を組み合わせて調整する必要がありますので、
慣れるまで、ややこしいと思いますが、
最近のほとんどのカメラには、
シャッタースピード優先モードや絞り優先モードという便利な機能が搭載されており、
どちらかの要素を固定(勿論自分で設定できます)して、
もう一方(厳密にはISOも関連します)は機械が
自動的に設定してくれるというものがありますので、
まずはそこから使いこなしていくのがいいかも知れませんね。

実際にフィギュアやプラモを撮影する時は、絞り値を意識して撮影してみてください。

それでは、次回はISOについての記事を書きたいと思います。
GWC開催まで、あと3日。
できるだけ早めに記事をアップしたいと思います~。

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